お知らせ
【2022年12月16日掲載】厚生労働省事務連絡「無痛分娩の提供体制に関する情報公開の一元化・推進について(再周知)」について
2022年12月15日付けで、厚生労働省医政局地域医療計画課から事務連絡「無痛分娩の提供体制に関する情報公開の一元化・推進について(再周知)」が発出されました。 この事務連絡は、都道府県の担当部署に、令和4年8月 24 日付け事務連絡「無痛分娩の提供体制に関する情報公開の一元化・推進について」で示されていた、厚生労働省のウェブサイトで現在行っている施設の掲載については令和5年3月 31 日までとし、令和5年4月1日以降は本協議会、無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(The Japanese Association for Labor Analgesia:JALA)で作成されたリストにおける公開に一元化する方針の再周知を依頼するものです。 既に、8月24日以降、多くの施設からJALAでの施設情報公開の依頼を受け付けていますが、今後も、常時公開依頼を受け付けております。ご検討中の無痛分娩施設におかれましては、よろしくご対応のほどお願い申し上げます。
【2022年9月15日更新】日本母体救命システム普及協議会(J-CIMELS)主催 JALAカテゴリーB相当講習会(J-MELS硬膜外鎮痛急変対応コース)開催のお知らせ
日本母体救命システム普及協議会(J-CIMELS)主催 JALAカテゴリーB相当講習会(J-MELS硬膜外鎮痛急変対応コース)開催のお知らせ J-CIMELS主催 JALAカテゴリーB相当講習会(J-MELS硬膜外鎮痛急変対応コース)が、実開催の形式で開催されます。 開催予定の講習会は、以下の通りです。 第126回日本産科麻酔学会学術集会@浜松 申込先:J-MELSコース | 関連セミナー | 第126回日本産科麻酔学会学術集会 (jsoap2020.jp) 開催日:2022年11月27日(日)13:15~16:45 会場:アクトシティ浜松 5階 https://www.actcity.jp/access/ 定員:18名 本コースは、第126回日本産科麻酔学会学術集会内での開催であり、学術集会へのお申込みが必要です。ベーシックコース受講済の医師が対象となります。 参加費:20,000円 募集期間:2022年9月9日から10月17日午前9時まで 受講決定:2022年10月25日までにメールで連絡します。 問い合わせ先:日本母体救命システム普及協議会事務局 jcimels@gmail.com
【2022年8月24日掲載】JALA 『無痛分娩施設検索 「情報公開に積極的な無痛分娩施設のリスト」への公開依頼の際の留意点について』の改定について
JALA 『無痛分娩施設検索 「情報公開に積極的な無痛分娩施設のリスト」への公開依頼の際の留意点について』の改定を行い、施設検索・登録に関する情報のコーナーに掲載しましたので、おしらせします。 今回の主な改定箇所は以下の通りです。 1.以下の文章が追加されました。 「この度、無痛分娩取扱施設の情報公開の一元化の時期について厚生労働省と協議を行い、 ・ 令和5年3月31日をもって厚生労働省ホームページにおける無痛分娩取扱施設の情報公開を中止すること。 ・ 令和5年4月1日以降、無痛分娩取扱施設に関する情報公開は、JALAサイトにおける公開に一元化すること。 ・ JALAサイトへの一元化に際して、無痛分娩取扱施設の掲載条件はJALAが設定した条件に一元化すること。 以上3点を決定しました。つきましては、現在厚生労働省ホームページに掲載をされている無痛分娩取扱施設がJALAサイトへの掲載を希望する際に、令和5年3月31日までの期間をJALAサイトの掲載条件を満たすための猶予期間とし、その上でJALAサイトにおける一元化を行います。その後は、無痛分娩施設情報リストとしてはJALAサイトのリストが唯一のものとなりますので、現在、厚生労働省ホームページに掲載をされている無痛分娩取扱施設で、JALAサイトに未掲載の施設におかれましては、令和5年3月31日までに、JALAへの公開申請を進めていただくようお願い申し上げます。」 2.「施設情報」のうち、産婦人科と麻酔科の勤務医師数については、施設により変動が大きいことも考えられることから、今後は施設データ登録システムでの掲載が確認できれば、自施設サイトで確認できない場合でも「リスト」への公開は可能と判断するようにいたします。 3.「リスト」への掲載後の情報の更新について、JALAの施設情報入力システムにおける入力内容は、JALAサイトでの「リスト」に掲載後、少なくとも1年に1回は最新の情報に更新してください。
無痛分娩に関する情報
日本産婦人科医会「分娩に関する調査」結果について
平成29年度、日本産婦人科医会は全分娩取扱い医療機関を対象として「分娩に関する調査」を実施し、無痛分娩の実施実態及び有害事象の発生状況について調査を行いました。 その結果は、日本産婦人科医会の記者懇談会で公表され、医会のウェブサイトに掲載されています。
無痛分娩施設登録・検索に関する情報
「情報公開に積極的に取り組んでいる無痛分娩取扱施設」に関する情報提供は2019年3月に予定しております。JALAの「一般の方向け」サイトの公開とあわせて開始します。無痛分娩取扱施設におかれましては、施設登録のご検討をお願い致します。
講習会に関する情報
【2022年3月23日掲載】JALA 「無痛分娩の安全な診療のための講習会」の受講をお願いする医療従事者の範囲の変更について
・このたび、JALA の構成団体で合意が得られたことからJALA の「無痛分娩の安全な診療のための講習会」の受講をお願いする医療従事者の範囲について変更を行いました。 ・麻酔科関連資格を持つ医師については「無痛分娩の安全な診療のための講習会」のうち、カテゴリーB、カテゴリーC 講習会の受講を必須とはしないことにいたしました。但し、ご自身で受講を希望される場合は受講することができます。 ・詳細はPDFファイルをご確認ください。
JALA WEB講習会の開始について
JALA WEB講習会の開始について JALAでは、無痛分娩従事者を対象とする「無痛分娩の安全な診療体制のための講習会」の開催を進めております。 2019年度に対面型の講習会の開催を開始し、多くの方に受講していただきました。しかし2020年に入ってからは、新型コロナウイルス感染症流行への対応のため、対面型講習会の開催が難しくなり、講習会受講の機会を提供することができず、無痛分娩実施施設の皆様には大変心配をおかけしました。JALAでは対面型に代わる開催形式として、可能な講習会についてはWEBを介したE-ラーニング形式での受講を可能とする方針で検討を進めてまいりました。その結果、4種類の「無痛分娩の安全な診療体制のための講習会」のうち、カテゴリーA講習会とカテゴリーD講習会について、対面型の講習会だけでなく、WEB講習会としても受講できる体制を整備することにしました。 また、カテゴリーB講習会については、JALAの研修体制分科会の検討の結果、J-CIMELSの「硬膜外鎮痛急変対応コース」以外に、麻酔科専門医を対象とした座学中心の講習会の開発を進めておりましたが、この講習会についてもWEB講習会として受講できる体制を整備することにしました。 このたび準備が整い、カテゴリーA講習会、麻酔科専門医対象のカテゴリーB講習会、カテゴリーD講習会のWEB講習会としての開催を開始いたしましたので、ご報告いたします。 無痛分娩実施施設で、無痛分娩を担当しておられる医師、助産師、看護師の皆様におかれましては、それぞれのお立場で該当する講習会の受講を進めていただきますよう、お願い申し上げます。 WEB講習会の受講申込方法を、JALAサイトの「講習会に関する情報」のコーナーに「WEB 講習会の受講申込方法について(全カテゴリー共通)」として掲載いたしましたので、ご確認ください。(医療従事者用JALAサイトのトップページの「おしらせ」欄からも入ることができます。) JALA講習会の受講申込先 尚、JALAで無痛分娩を担当する医療従事者に受講をお願いしている講習会は以下の4種類です。 「無痛分娩の安全な診療のための講習会」 カテゴリーA:「安全な産科麻酔の実施と安全管理に関する最新の知識の修得及び技術向上のための講習会」 受講対象者:無痛分娩麻酔管理者 相当するコース:JALA主催カテゴリーA講習会(WEB講習会も可) カテゴリーB:「産科麻酔に関連した病態への対応のための講習会」 受講対象者:無痛分娩麻酔管理者・麻酔担当医(麻酔科専門医・麻酔科標榜医・産婦人科専門医) 相当するコース: J-CIMEL主催「硬膜外鎮痛急変対応コース」(産婦人科医主体だが麻酔科専門医も受講可能) JALA主催「麻酔科専門医対象のカテゴリーB講習会」(WEB講習会も可) カテゴリーC:「救急蘇生コース」 受講対象者:無痛分娩麻酔管理者(受講歴があれば可)・麻酔担当医(麻酔科専門医(受講歴があれば可)・麻酔科標榜医・産婦人科専門医)・無痛分娩研修修了助産師・看護師(受講歴があれば可) 相当するコース:「J-MELSベーシックコース」「PC3」「ACLS」「ICLS」 カテゴリーD:「安全な産科麻酔実施のための最新の知識を修得し、ケアの向上をはかるための講習会」 受講対象者:無痛分娩研修修了助産師・看護師 相当するコース:JALA主催カテゴリーD講習会(WEB講習会も可) JALA講習会は、「受講歴があれば可」としているもの以外は、定期的な受講をお願いしています。カテゴリーA、カテゴリーB、カテゴリーDに関しては2年に1回程度、講習課題に応じて適切な頻度で定期的に講習会を受講していただくこと、カテゴリーC講習会についてはそれぞれの主催団体で定める頻度で受講していただくことをお願いしています。 (2020年6月19日 第8回JALA総会にて改正) 以上
カテゴリーD講習会のWEB講習会を開始しました。
JALAでは、「無痛分娩の安全な診療体制のための講習会」のうち、カテゴリーDに相当するWEB講習会を開始しました。 カテゴリーD講習会は、「安全な産科麻酔実施のための最新の知識を修得し、ケアの向上をはかるための講習会」です。この講習会の受講対象は、無痛分娩のケアを担当する助産師、看護師です。カテゴリーD講習会の受講修了は、無痛分娩研修修了助産師・看護師認定の要件の一つとなっています。 2018年3月の厚労科研特別研究班の「無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言」では、「無痛分娩に係る医療スタッフの研修体制の整備に関する提言」において、講習会受講に関して、「得られた知識や技術を維持し、最新の知識を更新するためには、2年に1回程度、講習課題に応じて適切な頻度で定期的に講習会を受講する必要がある。」と記載されています。今回は、初めてこの講習を受ける方を対象とした内容になっておりますが、今後も無痛分娩の現場で妊産婦さんのケアを担当する助産師さん、看護師さんにとって、安全な無痛分娩の実施と分娩の安全性の向上のために有用な講習会の開発を続け、更新時の受講に適したプログラムも提供できるように準備していく予定としております。 WEB講習会(カテゴリーD講習会)の構成 以下のような構成になっていますので、順番に進んで下さい。全体で約1時間のコースとなっています。(動画の視聴中、早送りの操作を行うと、システム上、視聴の終了が認識されなくなります。最初の視聴の際には早送りの操作は行わないようにしてください。)ポストテストに合格すると修了です。「マイページ」から受講修了証が発行可能になります。(尚、動画は受講申込み後1年間、何回でも視聴することができます。) プレテスト カテゴリーD講習動画 ポストテスト アンケート WEB講習会の受講方法について WEB講習会受講の申込 該当する講習会の「概要・申込」ボタンから申込画面に入って下さい。
医療安全に関する情報
【2021年6月13日】無痛分娩有害事象収集分析事業参画のお願い
無痛分娩取扱施設 産科責任者の皆様 無痛分娩麻酔管理者の皆様 無痛分娩有害事象収集分析事業参画のお願い 私ども無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(The Japanese Association for Labor Analgesia (JALA))は2018年7月に発足し、2019年2月には添付いたします文書「無痛分娩関係学会・団体連絡協議会からの発足のご挨拶とその活動への参画のお願い」を全分娩取扱施設にお送りし、安全な無痛分娩提供体制の確立と発展のためのJALAの活動へのご参画をお願いいたしました。JALAでは、無痛分娩診療体制情報公開事業、無痛分娩研修体制整備推進事業、無痛分娩有害事象収集分析事業の3事業を推進する方針とし、発足以来、体制の整備を進めるとともに、わが国の無痛分娩取扱施設とそこで無痛分娩の提供に従事する産婦人科医、麻酔科医、助産師、看護師等の皆様のご参画をお願いしてまいりました。 今回は、ようやく体制が整い、本格的な活動を開始する無痛分娩有害事象収集分析事業へのご参画をお願い申し上げます。 無痛分娩有害事象収集分析事業の開始について:JALAの活動の3本柱の一つである無痛分娩有害事象収集分析事業につきましては、患者情報を取り扱うため倫理審査が必要となり、三重大学倫理委員会及び日本産婦人科医会倫理委員会での審査を申請しておりました。2020年7月に最終的な承認が得られたため、事業開始のための最終的な準備として、JALAサイトから有害事象登録フォームへの入力をできるようにするシステムの改修を行い、2021年度から開始する準備が整えることができました。今後は、すべての無痛分娩取扱施設で発生した無痛分娩関連有害事象について、このシステムを用いてご報告いただきたいと考えております。以下にお示しする「有害事象報告の詳細について」をご確認いただき、積極的にご参画いただきますようお願い申し上げます。 無痛分娩関係学会・団体連絡協議会 総会議長 海野 信也 無痛分娩有害事象収集分析事業担当責任者 石渡 勇 無痛分娩有害事象収集分析事業 有害事象報告の詳細について 有害事象収集の目的:本事業において現場から報告された無痛分娩に関する有害事象事例に対して、事例ごとに原因、背景要因等の分析を行い、再発防止に向けた方策等について検討する。その過程で得られた情報を、様々な方法を通じて、産科麻酔に携わる産婦人科医及び麻酔科医に還元し、わが国の産婦人科医療の安全性のさらなる向上につなげていくことを目的とする。 開始時期:2021年春から ※ 2019年1月に遡って発生した有害事象を報告してください。 報告者:無痛分娩担当医(産婦人科医、麻酔科医) 原則として有害事象が発生した施設から報告していただく。 倫理委員会審査結果: 三重大学(承認番号H2020-079) 日本産婦人科医会(日産婦医会発第79号 令和2年7月1日) 報告をお願いする事例: 無痛分娩との因果関係は問わない無痛分娩症例で発生した有害事象 心停止、心室細動、重篤な不整脈、心電図ST低下/上昇、高度徐脈、高度頻脈、高度低血圧(収縮期血圧<60mmHg)、呼吸停止、呼吸数低下(<10/分)、呼吸数増加(>25/分)、SpO2<90%、意識障害、痙攣、興奮・不穏、意識レベル低下、耳鳴り、口唇のしびれ感 無痛分娩に関連した有害事象 高位脊髄くも膜下麻酔、局所麻酔薬中毒 等 ※妊産婦死亡症例は、日産婦医会の妊産婦死亡報告事業を通じて報告してください。 有害事象報告における情報の流れ:無痛分娩の実施に際して、報告を要する事例が発生した場合の報告の手順は以下の通りです。 施設の担当医は、JALAサイトの「有害事象報告フォーム」を用いて第一報報告を行う。第一報報告はJALA事務局(現在は日本産婦人科医会事務局が担当)に電子メールの形で送られる。JALAサイトのシステムサーバー内には、報告内容は記憶されない。 JALA事務局は、第一報報告者に対して、「無痛分娩 有害事象 調査票」を用いた症例情報の詳細報告を求める。(「無痛分娩 有害事象 調査票」のフォーマットは、JALAサイトの無痛分娩有害事象収集分析事業のページからダウンロードできる。) 報告者は、有害事象の内容を入力した調査票をJALA事務局に提出する。 JALA事務局は、提出された調査票について、本人及び発生施設情報に関する匿名化を行った後、JALA有害事象分科会に送付し、原因分析ならびに再発防止策の検討を求める。 JALA有害事象分科会は、調査票に基づいて事例の分析を行い、再発防止策を検討し、検討評価報告書及び再発防止策に関する提言をまとめ、JALA事務局に送付する。 JALA事務局は、検討評価報告書を発生施設に送付する。再発防止策に関する提言を公表する。 2021-6-13 無痛分娩有害事象収集分析事業参画依頼 JALAサイト掲載文 (詳細はPDF文書をご確認ください。)
JALA有害事象分科会の活動について
JALA有害事象分科会の活動について 2018年度は無痛分娩分担研究班有害事象グループと連携し、無痛分娩関連有害事象の収集・分析体制の整備のために、『「無痛分娩有害事象収集分析事業」パイロットスタディ』を実施しています。準備ができ次第、JALAサイトから詳細をご報告するようにいたします
研究班からの情報
平成30年度ー令和2年度 無痛分娩分担研究班 総合研究報告書
厚生労働科学研究費補助金 地域医療基盤開発推進研究事業「周産期医療の質の向上に寄与するための、妊産婦及び新生児の管理と診療連携体制についての研究」 分担研究課題「無痛分娩の安全な提供体制の構築のための諸体制の開発に関する研究」の平成30年度~令和2年度 総合研究報告書を掲載します。 平成30年度~令和2年度 総合研究報告書 資料1 平成30(2018年度)研究報告書 資料2 令和元(2019年度)研究報告書 資料3 令和2(2020年度)研究報告書
令和元年度厚生労働科学研究費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業) 「周産期医療の質の向上に寄与するための、 妊産婦及び新生児の管理と診療連携体制についての研究」 研究代表者 池田 智明 分担研究報告書「無痛分娩の安全な提供体制の構築のための諸体制の開発に関する研究」
令和元年度厚生労働科学研究費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業) 「周産期医療の質の向上に寄与するための、妊産婦及び新生児の管理と診療連携体制についての研究」研究代表者 池田 智明 (三重大学医学部産科婦人科学教室 教授)分担研究報告書「無痛分娩の安全な提供体制の構築のための諸体制の開発に関する研究」 (研究分担者 海野信也 (北里大学医学部産科学 教授)) 2019年度の無痛分娩分担研究班の報告書はこちらです。
平成29年度厚生労働科学研究費補助金(厚生労働特別研究事業)「無痛分娩の実態把握及び安全管理体制の構築についての研究」について(2019年1月)
平成29年度厚生労働科学研究費補助金(厚生労働特別研究事業)「無痛分娩の実態把握及び安全管理体制の構築についての研究」について(2019年1月) 2017年(平成29年)、無痛分娩の安全性について、異なる立場から以下のような、課題が指摘されました。 2017年4月、日本産婦人科医会等が実施している母体死亡症例検討評価委員会は、検討が完了した妊産婦死亡症例271例中、無痛分娩実施症例が14例(5.2%)含まれていたことを公表しました。2009年の照井らの調査ではわが国の無痛分娩実施率は3.2%程度と推定されており、妊産婦死亡例における頻度が高いのではないかという懸念が示されました。 また、2017年4月末から10月頃まで、無痛分娩における硬膜外麻酔の際の全脊椎麻酔と考えられる合併症による母子の予後不良事例が複数例報道され、無痛分娩の安全性が大きな社会問題となりました。そして、無痛分娩に関連して発生した有害事象のために予後不良となった母子のご遺族から、厚生労働省及び関係学会・団体に対して、安全な無痛分娩の提供体制構築を求める要望書が複数寄せられました。 無痛分娩の安全に対する社会的懸念の高まりに対応するため、厚生労働省は、平成29年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(厚生労働特別研究事業)において「無痛分娩の実態把握及び安全管理体制の構築についての研究」(以下、「無痛分娩特別研究班」)を実施することを決定しました。 この研究班では、専門学会・団体からの推薦による研究協力者等(日本医師会、日本看護協会、日本麻酔科学会、日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本周産期・新生児医学会、日本産科麻酔学会、医療安全の専門家、一般の立場)による検討によって、産婦人科領域だけではない医療界全体としてのコンセンサス形成を2017年度中に行い、以後の安全性向上のための対策につなげていくことが任務となりました。 無痛分娩特別研究班では、2017年8月から研究を開始し、6回の研究班会議を開催して、2017年度末までに研究のとりまとめを行いました。その成果を、2018年3月29日付で「無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言」として、総括・分担研究報告書として公表しました。そして、その後の、わが国における安全な無痛分娩実施体制構築という任務は、「無痛分娩に関するワーキンググループ(仮称)」準備委員会に引き継がれることになりました。(この準備委員会での検討の結果、「無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA)が発足することになりました。)