【2021年6月13日】無痛分娩有害事象収集分析事業参画のお願い

 

 

無痛分娩取扱施設 産科責任者の皆様 無痛分娩麻酔管理者の皆様

 

無痛分娩有害事象収集分析事業参画のお願い

私ども無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(The Japanese Association for Labor Analgesia (JALA))は2018年7月に発足し、2019年2月には添付いたします文書「無痛分娩関係学会・団体連絡協議会からの発足のご挨拶とその活動への参画のお願い」を全分娩取扱施設にお送りし、安全な無痛分娩提供体制の確立と発展のためのJALAの活動へのご参画をお願いいたしました。JALAでは、無痛分娩診療体制情報公開事業、無痛分娩研修体制整備推進事業、無痛分娩有害事象収集分析事業の3事業を推進する方針とし、発足以来、体制の整備を進めるとともに、わが国の無痛分娩取扱施設とそこで無痛分娩の提供に従事する産婦人科医、麻酔科医、助産師、看護師等の皆様のご参画をお願いしてまいりました。

今回は、ようやく体制が整い、本格的な活動を開始する無痛分娩有害事象収集分析事業へのご参画をお願い申し上げます。

無痛分娩有害事象収集分析事業の開始について:JALAの活動の3本柱の一つである無痛分娩有害事象収集分析事業につきましては、患者情報を取り扱うため倫理審査が必要となり、三重大学倫理委員会及び日本産婦人科医会倫理委員会での審査を申請しておりました。2020年7月に最終的な承認が得られたため、事業開始のための最終的な準備として、JALAサイトから有害事象登録フォームへの入力をできるようにするシステムの改修を行い、2021年度から開始する準備が整えることができました。今後は、すべての無痛分娩取扱施設で発生した無痛分娩関連有害事象について、このシステムを用いてご報告いただきたいと考えております。以下にお示しする「有害事象報告の詳細について」をご確認いただき、積極的にご参画いただきますようお願い申し上げます。

無痛分娩関係学会・団体連絡協議会 総会議長 海野 信也

無痛分娩有害事象収集分析事業担当責任者 石渡  勇

無痛分娩有害事象収集分析事業 有害事象報告の詳細について

  1. 有害事象収集の目的:本事業において現場から報告された無痛分娩に関する有害事象事例に対して、事例ごとに原因、背景要因等の分析を行い、再発防止に向けた方策等について検討する。その過程で得られた情報を、様々な方法を通じて、産科麻酔に携わる産婦人科医及び麻酔科医に還元し、わが国の産婦人科医療の安全性のさらなる向上につなげていくことを目的とする。
  2. 開始時期:2021年春から  ※ 2019年1月に遡って発生した有害事象を報告してください。
  3. 報告者:無痛分娩担当医(産婦人科医、麻酔科医)
    • 原則として有害事象が発生した施設から報告していただく。
      • 倫理委員会審査結果:
         三重大学(承認番号H2020-079)
         日本産婦人科医会(日産婦医会発第79号 令和2年7月1日)
  4. 報告をお願いする事例:
    • 無痛分娩との因果関係は問わない無痛分娩症例で発生した有害事象
      • 心停止、心室細動、重篤な不整脈、心電図ST低下/上昇、高度徐脈、高度頻脈、高度低血圧(収縮期血圧<60mmHg)、呼吸停止、呼吸数低下(<10/分)、呼吸数増加(>25/分)、SpO2<90%、意識障害、痙攣、興奮・不穏、意識レベル低下、耳鳴り、口唇のしびれ感
    • 無痛分娩に関連した有害事象
      • 高位脊髄くも膜下麻酔、局所麻酔薬中毒 等

  ※妊産婦死亡症例は、日産婦医会の妊産婦死亡報告事業を通じて報告してください。

  1. 有害事象報告における情報の流れ:無痛分娩の実施に際して、報告を要する事例が発生した場合の報告の手順は以下の通りです。
    • 施設の担当医は、JALAサイトの「有害事象報告フォーム」を用いて第一報報告を行う。第一報報告はJALA事務局(現在は日本産婦人科医会事務局が担当)に電子メールの形で送られる。JALAサイトのシステムサーバー内には、報告内容は記憶されない。
    • JALA事務局は、第一報報告者に対して、「無痛分娩 有害事象 調査票」を用いた症例情報の詳細報告を求める。(「無痛分娩 有害事象 調査票」のフォーマットは、JALAサイトの無痛分娩有害事象収集分析事業のページからダウンロードできる。)
    • 報告者は、有害事象の内容を入力した調査票をJALA事務局に提出する。
    • JALA事務局は、提出された調査票について、本人及び発生施設情報に関する匿名化を行った後、JALA有害事象分科会に送付し、原因分析ならびに再発防止策の検討を求める。
    • JALA有害事象分科会は、調査票に基づいて事例の分析を行い、再発防止策を検討し、検討評価報告書及び再発防止策に関する提言をまとめ、JALA事務局に送付する。
    • JALA事務局は、検討評価報告書を発生施設に送付する。再発防止策に関する提言を公表する。

 

2021-6-13 無痛分娩有害事象収集分析事業参画依頼 JALAサイト掲載文

(詳細はPDF文書をご確認ください。)

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