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無痛分娩に関する情報 投稿記事一覧

無痛分娩に関する情報の投稿記事一覧です。下記のタイトル一覧をクリックすると記事の詳細が閲覧できます。一覧は投稿された順に時系列で表示されています。

「無痛分娩」とは

 無痛分娩は、麻酔を用いることで痛みを少なくした分娩です。背中の神経をブロックして痛みを軽くすることが一般的です。「硬膜外麻酔」または「脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔」という方法が用いられます。硬膜外麻酔は「硬膜外腔」、脊髄くも膜下麻酔は「脊髄くも膜下腔」と「硬膜外腔」という2つの場所に麻酔薬を投与する方法です。(硬膜外腔、脊髄くも膜下腔の場所については、日本産科麻酔学会 無痛分娩Q&Aの図3をご覧ください。http://www.jsoap.com/pompier_painless.html) どちらの方法でも背中から細くて柔らかいチューブ(直径1mmぐらい)を入れ、そこからお産が終わるまで痛み止めの薬剤を注入します。そうすると、お腹から足、おしりにかけての感覚が鈍くなり、お産の痛みが和らぎます。この麻酔の方法は、赤ちゃんへの影響がとても少ないことも知られています。細いチューブは腰骨の高さぐらいの背骨のところに入れます。皮膚に局所麻酔をしてから行うので、強い痛みがあることは多くありません。10分ぐらいの処置です。(「硬膜外麻酔」や「脊髄くも膜下麻酔」の詳しいことを知りたいかたは、日本産科麻酔学会HPの無痛分娩Q&AのQ4、Q5をご覧ください。 http://www.jsoap.com/pompier_painless.html) 無痛分娩を始めたあとは、ベッド上で過ごすことが一般的です。お産が終わったら、チューブからの薬剤注入を止めます。そうすると徐々に麻酔の効果が切れてきて、数時間後にはもとの状態になることが普通です。無痛分娩が終わったあとの過ごし方は、無痛分娩をしていないときと同じです。  

無痛分娩の安全性

 無痛分娩を受けられた産婦さんが麻酔の事故で亡くなったり、重い後遺症が残ったりしたということを耳にした方がいらっしゃるかもしれません。硬膜外麻酔の命にかかわる不具合の原因として代表的なのが、「麻酔の効き過ぎ(高位脊髄くも膜下麻酔)」と「麻酔薬の中毒(局所麻酔薬中毒)」です。どちらも背中から入れた細いチューブが不適切な場所に入っているために起こる不具合です。残念ながら、注意深くチューブを入れる処置をしても、不適切な場所に入ってしまうことは完全に防ぎきれません。しかし、産婦さんの様子を注意深く観察しながら少しずつ薬剤を投与することで、重大な事態になる前にチューブが不適切な場所に入っていることに気づくことができます。また、万が一重大な状態になってしまったときに備えて、無痛分娩を行う施設には医療機器やトレーニングを受けたスタッフが配置がされている必要があります。  歩けない、排泄ができないなどの重い神経障害の原因のひとつが、血液が固まりにくいことです。そのため背中の麻酔を行う前には、血液の固まりやすさを確認し、重い神経障害を予防するようにしています。  このように、重篤な不具合がおきないよう、様々な対策を講じています。そして安全な無痛分娩を提供できるようにしています。

無痛分娩のメリット・デメリット

(メリット)  痛みが少ないことです。「リラックスしてお産できた」、「体力を温存することができた」、「産後の回復が早かった」などの感想がよく聞かれます。  産婦さんの脳の血管、心臓に病気がある場合、より安全なお産をするために医師が無痛分娩を勧めることもあります。痛みを少なくすると、産婦さんの体の負担を減らすことができるためです。お母さんの血圧が高いとき(妊娠高血圧症候群)も、血圧を上がりにくくするために、また赤ちゃんに十分な酸素を届けられるように、無痛分娩を勧めることがあります。 (副作用や不具合)  無痛分娩中によく起こる副作用に、足がしびれる、尿が出せない、皮膚がかゆいなどがあります。ときどき起こる不具合として、分娩後の強い頭痛などがあります。とてもまれな不具合として、命にかかわるような状態(重度の低血圧、呼吸停止、重篤な不整脈)、長期におよぶ重い神経障害などがあります。(副作用や不具合の詳しいことを知りたいかたは、日本産科麻酔学会HPの無痛分娩Q&AのQ15をご覧ください。http://www.jsoap.com/pompier_painless.html) (分娩への影響)  背中の麻酔によって、お産の進みが悪くなったり、お母さんのいきむ力が弱くなることがあります。そのため、子宮収縮薬を使うことが増えたり、鉗子分娩・吸引分娩が増えることが知られています。また、無痛分娩を行うときには自然の陣痛を待たずに分娩を計画的に誘発する施設もあります。

日本産婦人科医会「分娩に関する調査」の結果について

日本産婦人科医会「分娩に関する調査」の結果について 平成29年度、日本産婦人科医会は全分娩取扱い医療機関を対象として「分娩に関する調査」を実施し、無痛分娩の実施実態及び有害事象の発生状況について調査を行いました。 その結果は、日本産婦人科医会の記者懇談会で公表され、日本産婦人科医会のウェブサイトに掲載されています。

無痛分娩の安全性に関するご相談について

無痛分娩の安全性に関するご相談について JALAでは、患者さまやそのご家族からの直接個別のご相談に応じる体制はとっておりません。そのような場合に、どのようにしたらいいか、ということについて、平成29年度の特別研究班で検討が行われました。 現在、わが国の公的な制度で、患者さま等からのご相談の窓口には表で示すような仕組みがあります。 対象となる医療機関や相談内容がそれぞれ異なっているため非常に複雑なのですが、無痛分娩に関連したご相談の場合には、「無痛分娩に関する相談の流れ図」に示すような対応が考えられます。 まず、ご相談の事案が発生した医療機関とよく話し合っていただくこと 医療安全支援センターにご相談いただくこと 都道府県医師会の医療安全相談窓口に相談いただくこと  医療安全支援センターについて:「医療安全支援センターは医療法第6条の13の規定に基づき、都道府県、保健所を設置する市及び特別区により、日本全国で380箇所以上設置されています。医療安全支援センターは、このように皆様の身近な所で、医療に関する苦情・心配や相談に対応するとともに、医療機関、患者さん・住民に対して、医療安全に関する助言および情報提供等を行っています。」 全国の医療安全支援センターの検索

「24時間対応」と「誘発無痛分娩」について

「24時間対応」と「誘発無痛分娩」について 無痛分娩を実施している医療機関には24時間いつでも無痛分娩に対応出来る施設と、そうでない施設があります。ここではどうしてそのような違いがあるのか、ということについてご説明します。 無痛分娩を行う際、陣痛がはじまったことを確認した上で、局所麻酔薬を投与して痛みを軽減するのが理想です。いつでも無痛分娩を実施できる施設は、自然陣痛にあわせて24時間体制で対応します、しかしながら、わが国では24時間いつでも無痛分娩を実施できる医師が待機している施設は限られています。無痛分娩に24時間対応できない施設では、可能な範囲で無痛分娩を行うことになりますが、この場合には無痛分娩のご希望にお応えできないことがどうしても多くなってしまいます。このような事情に対応するために考え出されたのが「誘発無痛分娩」という方法です。この方法では、無痛分娩を開始できる体制が整っているときに陣痛がはじまるように、お産が近づいたタイミングを見はからって子宮収縮薬等を使って陣痛の誘発が行われます。 無痛分娩取扱施設のことを調べる際には、その施設の無痛分娩のやり方をよく確認するようにしてください。  

「希望による無痛分娩」と「医学的適応による無痛分娩」について

「希望による無痛分娩」と「医学的適応による無痛分娩」について 無痛分娩を実施している医療機関には妊産婦さん自身のご希望による無痛分娩を引き受けている施設とそうでない施設があります。ここではどうしてそのような違いがあるのか、ということについてご説明します。 お産のあり方は時代とともに変化します。わが国では第二次世界大戦以前は、大多数が自宅分娩でした。しかし戦後は次第に病院、診療所、助産所などで分娩が増加し、1980年代以降は99%以上が施設分娩になっています。 また、お産のあり方は国によってもかなりの違いがあります。わが国では、無痛分娩はお産全体の5.3%(2014年から2016年)に行われていますが、英国では20.8%(2012年)、米国では41.3%(2008年)、フランスでは65.4%(2016年)で行われています。このような大きな違いがおきるのは、一般の方のお産の痛みに対する考え方に、国ごとの違いがあることによると考えられます。 陣痛の痛みは大変強いものです。わが国では「産みの苦しみ」という言葉があり、陣痛は自然のものなので、お産では避けられない、我慢すべきものという考え方をする方が多数派であるかもしれません。しかし、無痛分娩が多い国では、陣痛の痛みもけがや病気の痛みも痛みには違いがない、取り除くことができるのであれば取り除いた方がいい、という考え方が普通になっているようです。当然のことですが、お産をされる方が無痛分娩を必要としなければ、その実施率は低くなります。 無痛分娩を安全に実施するためには、適切な設備と人員の配置が必要です。無痛分娩を希望される方が少ない場合は、分娩施設がいつでもご希望にお応えする体制を整備することは難しくなります。 その一方で、肉体的精神的要因のために、陣痛の痛みがあると、安全にお産ができない方、陣痛の痛みさえ取れればお産ができる方がおられます。こういう方々に安全にお産をしていただくためには「治療」としての無痛分娩が必要になります(これを専門家は医学的に必要性がある、という意味で「医学的適応がある」と表現します。)多くの病院ではこのような場合、状況が整えば無痛分娩を行います。無痛分娩が難しい場合は帝王切開を行うことになります。 このような事情で、現在わが国の分娩施設は、無痛分娩を取り扱っていない施設、医学的適応がある場合だけ無痛分娩を実施する施設、妊産婦さんのご希望があればできる範囲で無痛分娩を実施する施設が混在している状況にあります。 2017年に行われた日本産婦人科医会の調査で、無痛分娩の実施率がかなり増えてきていることがわかりました。わが国の若い女性のお産の痛みに対する考え方に変化が起きている可能性があります。今後、無痛分娩を希望される方が増えれば、それに対応できる医師やスタッフも増えて、ご希望にお応えできる施設が増えてくると考えられます 。 無痛分娩取扱施設の選択にあたっては、各施設の無痛分娩への対応がどのようなものなのか、個々に確認していただくことが大変重要です。  
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