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無痛分娩の安全性

 無痛分娩を受けられた産婦さんが麻酔の事故で亡くなったり、重い後遺症が残ったりしたということを耳にした方がいらっしゃるかもしれません。硬膜外麻酔の命にかかわる不具合の原因として代表的なのが、「麻酔の効き過ぎ(高位脊髄くも膜下麻酔)」と「麻酔薬の中毒(局所麻酔薬中毒)」です。どちらも背中から入れた細いチューブが不適切な場所に入っているために起こる不具合です。残念ながら、注意深くチューブを入れる処置をしても、不適切な場所に入ってしまうことは完全に防ぎきれません。しかし、産婦さんの様子を注意深く観察しながら少しずつ薬剤を投与することで、重大な事態になる前にチューブが不適切な場所に入っていることに気づくことができます。また、万が一重大な状態になってしまったときに備えて、無痛分娩を行う施設には医療機器やトレーニングを受けたスタッフが配置がされている必要があります。

 歩けない、排泄ができないなどの重い神経障害の原因のひとつが、血液が固まりにくいことです。そのため背中の麻酔を行う前には、血液の固まりやすさを確認し、重い神経障害を予防するようにしています。

 このように、重篤な不具合がおきないよう、様々な対策を講じています。そして安全な無痛分娩を提供できるようにしています。

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